今回の建替えにあたっては尾鷲市内の熊野古道に続く街道沿いという立地を踏まえ、地域と馴染みながらも存在感のある銀行店舗を目指して計画を進めた。建設地は大通りから少し奥まっているため、背の高いボリュームを道路際に配置し、象徴的なデザインとすることで視認性を高めた。また、住宅など小規模建築の多い周辺との調和を図るため、建物のボリュームを3 つに分割することで圧迫感を低減した。敷地南側から北側へ向かって建物の高さを段階的に下げる断面構成とし、最北側は勾配屋根とすることで、北側隣地への自然採光・通風を確保するよう配慮している。エントランスは勾配屋根を大きく跳ね出し、軒天には地域産材の尾鷲ヒノキを使用することで環境への配慮と地域との繋がりが感じられる建築とした。また、軒天がそのまま内部へと続くデザインとすることで内外がシームレスに繋がり、人々を迎え入れる設えとなっている。身体スケールを意識した尾鷲ヒノキの利用により、五感で木の温もりを感じられる店舗とした。(冨田昌志、松本拓也、大塚竣揮)
| 所在地 | 三重県尾鷲市朝日町11番16号 |
|---|---|
| 設計・監理 | 伊藤建築設計事務所 |
| 施工 | 北村組 |
| 延床面積 | 516.12m² |
| 構造規模 | S造、地上2 階+塔屋 |
| 工期 | 2022年4月~2024年6月 |
※(一社)日本建築協会『建築と社会』2025年3月号より抜粋


